団体の活動状況

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2017年10月18日埼玉在住の個人の方から、刺し子のふきんをお寄せいただきました

登録番号 TP171017001
市町村名 大槌町 釜石市 陸前高田市
詳細記事 岩手県立大学を通じて沿岸被災地に刺し子のふきんをお贈りしたいという申し出があり、当かけ橋プロジェクトにおいて寄贈先のマッチングを行った。ご支援いただいたのは、岩手県出身で埼玉県在住の井上千賀子さん。長男の大地さんが支援学校時代から10余年にわたって取り組んでいるという刺し子で、被災した方々を励まそうとふきん110枚をお寄せいただいた。

いただいた刺し子のふきんは、110枚全て図柄が異なる。真っ白な布に、色とりどりの糸で動物や花など、さまざまな模様が浮かぶ。その出来栄えからはとても想像できないが、初めは針に糸を通すことすら難しかったのだという。まっすぐな線30センチメートル縫うのに30分かかったこともある。さらしの布に方眼の線を引き、線の通りに縫う練習を重ねた。自由に模様を描けるようになると達成感があり、周囲の人も喜んでくれた。年齢を重ねるごとに、それは大地さんの趣味になっていった。

平成23年3月11日、東日本大震災津波が発生。報道で被災状況を知るにつけ胸が痛んだ。ある日、母・千賀子さんは大地さんに提案した。

「被災されてしまった方々が元気になってもらえるように、大地の作った刺し子を使ってもらったらどうだろう」

すると大地さんは、「これを届けるんだ」と言って黙々と縫い進めた。千賀子さんが下絵を描き、大地さんが色の組み合わせを考えながら、刺し子を施す。点と点を線にしていく作業は、一歩ずつ積み重ねていく復興の道のりと似ている。

平成29年9月、沿岸各地に井上さん親子の刺し子をお届けした。その一つが「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」を進める陸前高田市で、障がいをもちながら画家として活動する田﨑飛鳥さんのアトリエだ。受け取った父・實さんは、大地さんの刺し子について「絵に通じるものがある。これほどの刺し子であれば作品として制作してみては」とメッセージを送った。

被災した方の手仕事として刺し子の商品を製造・販売している「大槌刺し子プロジェクト」に寄贈した際には、「出来上がりを考えながらの製作は大変な作業なのに、1枚1枚図柄が違うのには驚いた」、「丸く縫うのは難しいのに、すごい。私も頑張ろう」など、前向きな言葉が聞かれた。

災害公営住宅の集会所にお届けすると、多彩な刺し子のふきんに人々の会話も弾んだ。「アニメキャラクターがあるから、これは孫のいる人にあげよう」、「犬を飼っているから、これ(犬の柄)が良い」と嬉しそうに手に取る人の姿もあった。

「震災から6年以上が経過しているのに、今でもこんなに思ってもらえるなんて」

そう言って、涙を浮かべる方もいた。釜石市内で仮設から恒久住宅への移行をサポートしている生活再建移行期被災者支援連絡員の藤井真次さんは「宅地の造成待ちなど様々な事情で、現在も仮設住宅に暮らす人々がいます。今では住民の少ない団地も珍しくありません。外部からの訪問も減少しており、『忘れられた感』を口にする人も…。大地さんの刺し子のように想いのこもった贈り物は、被災した方の励みになるし、みなさんきっと喜びます」と感謝の思いを語った。
添付ファイル
田﨑飛鳥さんのアトリエにて。父・實さんは、刺し子に絵と通じるものを感じたという。田﨑飛鳥さんのアトリエにて。父・實さんは、刺し子に絵と通じるものを感じたという。
井上さん親子の刺し子を手に微笑む中田市民交流プラザの皆さん。井上さん親子の刺し子を手に微笑む中田市民交流プラザの皆さん。
「たくさんの人に見て欲しい」と、プラザ内に掲示した。「たくさんの人に見て欲しい」と、プラザ内に掲示した。
投稿者 システム管理者
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